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ふなずしの正しい表記は、鮒ずし?鮒寿司?鮒鮓?鮒鮨?

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ここ最近ふなずしポテチとかで一躍注目を集めるようになったふなずしですが、ふなずしの正しい表記は何なのかはみなさんご存じでしょうか?
「すし」という漢字だけでも、「寿司」「鮨」「鮓」があり、それに鮒がくっついて、さまざまな表記がされています。
このように同じ物を指し示すけど、表記の微妙な異なりを「揺らぎ」といいます。
しかし最近はGoogle先生がこの揺らぎも吸収して適切な検索結果を返してくれるので、インターネット等でふなずしに関して情報を検索したりするにおいてはそこまで「ふなずし」の表記にこだわる必要はないのかもしれません。

ふなずしの正しい表記とは?

とはいえ、実際に由緒正しき「ふなずし」の表記とは一体どれなのでしょうか?そのためにはまずは「すし」の歴史や「すし」の違いを理解する必要があります。

「鮓」はなれずし

一番目にすることが少ないのがこの「鮓」ではないでしょうか。
この「鮓」は、魚等を塩とご飯で漬け込んで発酵させることにより、うま味成分を引き出し、長期保存を可能としたなれずしの事です。まさにふなずしのすしはこの「鮓」にあたります。
なので、滋賀県で有名なあの「徳山鮓」も店名に用いられている「すし」の文字は「鮓」です。
なれずしが進化して現在私たちは普段口にする握りずしにつながることからも、ふなずしは寿司の原点でもあり、1000年以上に及び歴史を持った世界最古の寿司なのです。

「鮨」はなれずし以外のすし

この「鮨」という文字はは、町中のお寿司屋さんでもたまに目にすることがあると思います。これは主に上記で説明したなれずし以外の寿司の事を意味します。
なれずしが進化して現在私たちが普段口にしている握りずしは、江戸で生まれたことから「江戸前鮨」と表記されます。
そういうことからも、関東ではお寿司屋さんの店名に「鮨」の文字が用いられていることが多いですが、関西の方ではあまりこの「鮨」という文字に馴染みはないのかもしれません。

「寿司」は当て字

最後に「寿司」の文字ですが、すしと言えばこの「寿司」という漢字ではないでしょうか。
でも普段何気に目にしているこの「寿司」という文字ですが、よく考えてみると、なんでこのような文字なのか、全く見当がつかないと思います。寿(ことぶき)と司(つかさ)。
上記の「鮓」や「鮨」は、魚へんが用いられていることからも、なんとなく実際のすしと漢字がさし示す意味は想像できると思います。
実はこの「寿司」という文字は、江戸時代に作られた当て字なのです。
現在は回転ずしなどで一皿100円から手ごろに食せるようになったすしですが、それでもやはりすしと言えばお正月や親せきの集まり事、祭り等の神事の席に出てきますよね。江戸時代においてもすしにはそのような側面もあったことから「すし」に「寿司」という文字があてられたのです。
もしすしが江戸時代の食文化等において違った側面を持っていたら、違った文字が当てられて、「寿司」ではなく、別の文字だったかもしれません。あなたなら「すし」にどのような漢字を当てますか?

Google先生はふなずしをどのように認識している?

ではGoogleでふなずし/鮒鮓/鮒鮨/鮒寿司/ふな鮓/ふな鮨/ふな寿司をそれぞれ検索すると、何件出てくるのでしょうか?

  • ふなずし:2,230,000 件
  • ふな寿司:1,440,000 件
  • ふな鮨:703,000 件
  • 鮒ずし:399,000 件
  • 鮒寿司:291,000 件
  • ふな鮓:143,000 件
  • 鮒鮨:133,000 件
  • 鮒鮓:66,100 件

これが検索結果の多い順になります。由緒正しき「鮒鮓」が一番少なく、間違いである「鮒鮨」が「鮒鮓」よりも2倍多いですね。
またひらがなの「ふなずし」が一番多いのは、このように、どの表記を用いたらよいか悩んで用いているのであろうと推測されます。

ちなみに「鮒鮓」は「鮒ずし」にリライトされたりするので、Googleで検索するにおいてはそこまで気にしなくてもよさそうです。

結局「ふなずし」の正しい表記は何なのか?

鮓/鮨/寿司の違いはわかったとして、ではふなずしの正しい表記は何なのでしょうか?
全ての記述のパタンに対しての見解を記したいと思います。

ふなずし(鮒ずし):〇

全てひらがなで記述する「ふなずし」は特に間違いはありません。
すしの漢字に3種類があるので、どれを使ったらよいか等を悩む場合は、素直に「ふなずし」でよいかと思います。
そういう意味でもふなずしの商品名に「ふなずし」が用いられているパタンが多いのは、そういうことかもしれません。

ふな鮓(鮒鮓):〇

鮓という文字が指し示す意味からも、これが一番正しいふなずしの表記になります。
ただし、この「鮓」という字はあまり見かけないことから、これをすしと読めない人もいたり、また「寿司」だと敷居が低いですが「鮓」となっていきなりなれずしということになると、一気にハードルが 高くなるのでこの「ふな鮓」という表記はあまりみかけないのかもしれません。

ふな鮨(鮒鮨):×

「鮨」という文字が、なれずし以外の握りずしや棒ずしの事を意味するので、これは明らかに間違った表記になります。

ふな寿司(鮒寿司):△

この「ふな寿司」の判断が難しいところです。しかしこの「寿司」という文字は、遡っていけば、寿司→鮨→鮓なので、ふな寿司と書いても間違いではないと私は思います。
またふなずしこそ神事と非常に関わりがある食べ物でもあるし、私も毎年お盆やお正月に帰省すると親戚が集まったその場には必ずふなずしが出てきます。
現代においては、通常の握りずしよりも希少価値の高いふなずしこそ、祝い事等のめでたい時に食べることからもふな寿司、という表記はありなのではないでしょうか。

 

まとめ

これらの考察をまとめると、最終的な結論としては、どれか一つが正しいというわけではなく、時々に応じての使い分けが適切かと思われます。

  • 鮒鮓:ふなずしのルーツやなれずしであるふなずしの本質にこだわるなら
  • 鮒寿司:関東の人等、ふなずし初心者にアピールするなら
  • ふなずし:万人に訴えるなら
  • 鮒鮨:まちがった使い方なので、用いない。

これらを基準にふなずしの表記を用いれば大きな間違いはなさそうです。

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