鮒鮓界のロバート・パーカーこと、似五郎(ニゴロー)が独断と偏見で採点しちゃうふなずし食レポ。今回は滋賀県彦根市の木村水産株式会社が製造販売する「あゆの店きむら」のふなずしです。
あゆの店きむらとは?
「あゆの店きむら」は滋賀県彦根市に本社を置く、木村水産株式会社の屋号で、1970年に設立された琵琶湖で獲れる湖魚等を加工して販売する会社です。
創業前の1957年から琵琶湖畔の彦根で鮎の養殖事業を開始して、今日に至っています。現在は彦根本店以外にも、
- 彦根京橋店
- 長浜黒壁店
- 八幡堀店
等の複数店舗も展開しています。
あゆの店きむらのふなずしの商品概要
- 商品名:あゆの店きむら ふなずし
- 製造者:木村水産株式会社
- 内容量:1食分
- 原材料:ニゴロ鮒(琵琶湖産)/米(国産)/食塩/味醂
- 価格: 1,404円(税込)
あゆの店きむら ふなずしの購入
今回のこの商品も、東京の有楽町にある交通会館2階にある滋賀県のアンテナショップ「ゆめぷらざ滋賀」で購入しました。同じ商品が楽天等でも販売されています。
あゆの店きむら ふなずしの値段
価格は税込みで1404円。楽天やあゆの店きむらの直売ECストアでも同様の価格ですが、通販の場合は送料が必要で且つクール宅急便となるので、少しでも安く済ませたいなら、ゆめぷらざ滋賀に直接訪れて購入する方がお得ですね。
外観
この特徴あるパッケージデザインは、こだわりがたくさんつまています。
この蛇腹状の網目は、鮒ずしを作るときに、鮒を桶に交互に隙間なく漬け込んでいる様子や、鮒を獲るときの投網の網目を意味しています。また、この包装の上部の取っ手の部分は鮒の尾びれをイメージしているそうです。
このパッケージデザインは、木村水産と彦根にある滋賀県立大学人間文化学部生活デザイン学科が共同で平成22年度に開発し、パッケージデザインのPentawards 2011のLuxuary部門においてSilver Awardを受賞しています。
ふなずしの切り身と飯(いい)が分けられているのは、何気にうれしい気配りです。
食べてみる。味や臭いは?
ふなずしの切り身は7切れ入っており、厚さは5mm程度です。
7つの切り身の内、5切れにはオレンジ色の卵がしっかり入っています。
ガーゼの下に敷き詰められている飯(いい)は、薄いクリーム色をしており、飯も切り身もさほど淡水魚の臭みもありません。
飯は若干パサついており、しっとりしたペースト状ではない分、初心者にとっては食しやすいかもしれません。
飯には、完全に発酵しきっていないご飯の粒が残っており、これは目視でも確認することができ、また実際に口にいれると、米粒の舌触りを感じることができます。
ガーゼの上に盛られた切り身にはほとんど飯は付着していないので、飯をとることなくそのまま食べることができます。
味は非常にしっかりしており、噛めばふなずし特有の甘味を十分に楽しむことができます。
骨もしっかり発酵しているので、口当たりもやさしく非常に食べやすいです。
ふなずしの食べ方を解説
真空パックされたトレーの下にはこのようなふなずしの食べ方を説明した小冊子が入っています。
これを見ながらお好みの食べ方を楽しむ事ができますが、7切れしか入っていないので、全ての食べ方を試すよりは、どれか一つになるでしょう。
この冊子の裏面には「淡海のスローフード鮒寿し」とのタイトルで、滋賀県指定無形民俗文化財としての解説も記載されています。
単に鮒ずしを食べるだけでなく、このような解説等がついているのもうれしいですね。
総評
このふなずしは初心者にはまさに食べやすい、ふなずし入門としては最適な商品と思います。
初めての人だと、飯にまみれたふなずしをどうやって食べたらよいか分からない人が多いと思いますが、しっかり飯と切り身がガーゼで仕分けられているので、まずは最初に飯を食べて、鮒ずしの臭いになれてきたら、その次に身の部分を食べて、最後に卵の部分を食べる、という風に順を追えば、一通りのふなずしを体験できると思います。
ただ、やはり内容量が少ないので、ふなずしが大好きなふなずし通には物足りないかもしれません。
内容量のわりには価格が少し高い気もしますが、丁寧なパッケージングや、冊子が入っていたりと、ふなずしにとっつきにくかった人に対してはふなずしのイメージを少しでも変えたという点でこの商品は評価することができるのかもしれません。