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あの世界のCNNが滋賀県に来て鮒寿司を取材した!

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皆さんCNNはご存知かと思います。あのテッド・ターナーが創業したアメリカのケーブルテレビや衛星テレビ向けのニュースチャンネルです。
そんなCNNがウェブ上で提供しているCNN Travelというコンテンツがあります。
これはCNN独自の取材で世界中を旅して様々な紹介を写真やビデオを通して行う人気コンテンツです。

今回はこのCNNトラベルJAPANになんと鮒寿司が紹介されました。

Narezushi: A taste of ancient sushi in Japan

京都や東京、沖縄や北海道等が紹介されるのなら分かりますが、あのCNNが滋賀県に来て鮒寿司の紹介をしたというのは、さすがCNN。というかさすが鮒寿司。
CNNトラベルはよくあるトラベルコンテンツとは少し異なり、CNN独自の価値観に基づいた非常に面白い切り口でのレポートが特徴的です。
なかなか海外の旅行メディアで日本の記事を書く時に鮒寿司を取り扱うメディアは少ないのではないでしょうか。

今回はそんな希少なトラベルリポートで、どのように鮒寿司がレポートされたのかを紹介したいと思います。

取材先は琵琶湖マリオットホテル

マリオットホテルと言えば、NASDAQにも上場しているアメリカの有名なホテルチェーンです。
滋賀県にマリオットホテルなんてあったかな?と思ったのですが、ラフォーレ琵琶湖がマリオットホテルに改装したようです。
ラフォーレ琵琶湖ならプラネタリウムでの結婚式が有名ですよね。ラフォーレ時代に私も知り合いの結婚式で行った事があります。
湖岸道路を走っていると、琵琶湖大橋に近づいてくるくらいに左手に見えてくる、琵琶湖の目の前に建っているホテルです。

そんな琵琶湖マリオットホテルの総料理長、大橋氏がCNNの記者に鮒寿司が生まれた経緯や、滋賀県内の各家庭にそれぞれのレシピがあることを説明しています。
その他には、あゆの店木村の東本さんもインタビューに登場しています。

基本的には大橋総料理長と東本さんからのインタビュー形式での記事になり、今回のCNNの取材でふなずしマニアとしては特に目新しいことを言っている訳ではないですが、このようにふなずしを体系的に説明して世界に発信するということは、非常に価値のあることかと思います。

では記事中にあった、いくつかの気になった点を。

鮒寿司はブルーチーズに似ている

これまでも当サイトでゴーダチーズ等に例えた事はありましたが、大橋総料理長はブルーチーズに似ていると表現しています。
海外の方に鮒寿司の匂いや味を表現するには、チーズが一番近いのかもしれません。

また鮒寿司は、数年、長ければ数十年保存することができるとも説明しています。自家製鮒寿司はたいてい1年で食べるので、数十年漬け込んだ鮒寿司があるというのはちょっとびっくりです。
発酵に適した、暗くてある一定の室温が保てる環境があれば、鮒寿司は長ければ数年から数十年の保存が可能と説明しています。

大橋総料理長によると、一番長期間漬けこまれた鮒寿司は100年にもなるものがあるそうです。100年であっても、漬け続けている限りそれが発酵の過程にあるので、腐ることはありません。
100年物はさすがにですが、通常の1年漬けられる鮒寿司以外にも、数年漬けた鮒寿司もあり、それらは数万円の値がつくそうです。

1000年に渡り作り続けられている事に誇りを感じる

大橋総料理長の言葉で一番印象深かったのは、まさにこの1000年の歴史です。
現在の握りずしの原型といわれる鮒寿司が滋賀県の琵琶湖で獲れる鮒を用いて、1000年以上に渡り作り続けられて食されて来たことは、滋賀県民にとって非常に大きな誇りでもあります。
ふなずしを食べることによって、寿司だけでなく、日本人の食文化の歴史を感じて知ることができる。
和食は現在世界中で大人気ですが、食べることで歴史を感じることができるというのは、まさにその通りだなと思いました。

米のベッドの上に横たわる鮒寿司

CNNの記者はスライスされた鮒寿司の盛り付けを、「米のベッドの上に横たわる鮒寿司」と表現しています。
鮒寿司をこのように表現するのは初めて耳にしました。とても面白いですね。
確かにスライスした後の盛り付け以外でも、塩切した鮒を本漬けする様子も、鮒をごはんのベッドに敷き詰めて、ご飯の布団を上から被せているようですね。
このCNNの記者に樽に使った鮒寿司を見せたら、またどのように表現したのかも気になります。

この大橋総料理長も、初めて鮒寿司を食べたのは16歳くらいの高校生の時だったようで、その時はなかなか食べられなかったようです。
確かに物心ついた16歳等の時期に初めてふなずしをたべるとすると、なかなか厳しい物があるかもしれません。
16歳等の多感な時期に、なんでこんな臭い物を食べる必要があるのか?と感じるのが普通ではないでしょうか。

私は小さい時から普通に食卓にあったので中高生の頃にはすでに鮒寿司が大好きだったのですが、もし私も初めての鮒寿司が16歳とかだったら、おそらく食べることはできなかったでしょう。

しかし大橋総料理長の環境は親もシェフだったこともあり、このような食文化への理解もあり、成長とともに鮒寿司を理解して好んで食べるようになったそうです。

大橋総料理長は発酵の素晴らしさと、それが生み出す鮒寿司の本質を理解して自身も鮒寿司が大好きだそうで、しっかり漬けこまれた鮒寿司は、頭もおいしいと説明しておられます。

魚治の湖里庵を紹介

当レポートでも記載されてますが、滋賀に来れば比較的簡単にふなずしをみつけることができ、現在ではAmazonでも販売されているが、高品質な鮒寿司に出会う為には、琵琶湖のほとりにある高品質なベンダーを見つける事がおススメ、と記載しています。
琵琶湖のほとりの高品質なベンダーとは、滋賀にある老舗の鮒寿司の蔵元のことですね。
やはりここでも、魚治の湖里庵が紹介されています。

この記事を見て、海外から滋賀にやってきて魚治の鮒寿司を食べてみようと思う人も何人かいるかもしれません。

今回のCNNトラベルのこの記事が、CNNと契約している日本駐在員か、CNNと契約している日本人ライターが書いているのかは分かりませんが、非常に鮒寿司の側面だけではなく、その歴史や成り立ち、現在におけるふなずしの意義等をとても親切丁寧に紹介されています。

ただ、欲を言えば、実際にCNNの記者等の海外の方が鮒寿司を食べてみてその感想も聞いてみたかったです。

あの世界のCNNが鮒寿司を取材して世界に発信してくれるというのは、さすがCNNと言ったところでしょうか。

テッド・ターナーが鮒寿司を食べたらどう言うか、聞いてみたかったですね。

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