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琵琶湖八珍のセンターポジションは鮒寿司のニゴロブナか?

滋賀県と言えば近江牛が有名ですが、琵琶湖の固有種である湖魚や川魚を県外や世界にもっとアピールしていこうとして選ばれた8種の魚を「琵琶湖八珍」といいます。

これは2013年に識者や滋賀の観光関係者らが運営する滋賀県ミュージアム活性化委員会の選定委員が選びました。

もちろんこの中にニゴロブナも入っています。

琵琶湖八珍とは?

では琵琶湖八珍にはどのような魚がふくまれているのでしょうか。

の8種類になります。

ビワマス/ニゴロブナ/ホンモロコ/イサザ/ビワヨシノボリの5種は、琵琶湖の固有種になり、その他は琵琶湖や琵琶湖に流れ込む河川等、古くから滋賀県内に生息する在来種になります。

どれも古くから滋賀県民の食卓に並んできた魚ですね。というのも選定委員が選ぶ前に、安土城考古博物館が実施した湖魚料理の人気投票によって、いくつかの魚種が選ばれて、その中から最終的に8種に絞られたので、どの魚もおいしい食べ方があります。

琵琶湖八珍の裏話

8種の魚を選ぶにあたって、まず最初は琵琶湖周辺で食べられている湖魚料理で一番人気なのは何なのかを調べるというところから始まり、湖魚料理185種を対象に人気投票が行われました。

投票は2013年に安土城考古博物館で開催された特別展「華麗なる漁と美味なる食」において人気投票を実施。県内1595人、県外1731人の投票がありました。

で、結果はというと、なんと1位は「うな丼」。

まあそりゃ、うな丼やうな重にはかなわないですよね。

私も鮒寿司とうな重を目の前に並べられて、どちらか好きな方だけを食べてよい、と言われたらさすがに心がゆらぎます。

この投票結果を参考に、琵琶湖八珍として選定した時に、料理として提供するにおいて安定的に供給できる漁獲量のある品種という点を考慮して八珍は選ばれたそうです。

確かに八珍にウナギを選んでも、琵琶湖で獲れるウナギは年間たったの2トンで、そのほとんどは東京や京阪神等の都市部の高級料亭に行ってしまいます。

そうなると琵琶湖八珍を食べたい!と思って滋賀県に訪れてくれた方々が食べられないとか、食べられたとしてもとても値段が高いとかになってしまうと、うまくPRできないですよね。

鮒寿司は意外と健闘している?

投票の傾向としては、うな丼や鮎の塩焼きは県外からの得票が多く、鮒寿司やエビ豆は県内からの得票が多いかったとのこと。

特に鮒寿司は、県内の30歳以上からの得票が大半を占めたそうです。

ふなずしの得票率は、15%。これを低いとみるか高いとみるか。

うな丼、あゆの塩焼き、シジミ汁等の王道が上位を占めるなか、鮒寿司が500票を獲得して5位に入ったのはかなり健闘したのではないかと思います。

ただ問題なのは、得票の大半が県内の30代以上という支持者の偏りです。

支持者が若年層に偏っていたら将来は明るいのですが、この年齢層への偏りは、ふなずし支持者の高齢化と共に、鮒寿司のプレゼンスがどんどん下がっていくのではないか?と心配になってしまいます。

琵琶湖八珍を順位付けするなら

8種の魚に序列があるのかどうか分かりませんが、公式には、

ビワマス/ニゴロブナ/ホンモロコ/イサザ/ビワヨシノボリ(ゴリ・ウロリ)/コアユ/スジエビ/ハス

の並び順になっているようです。

もし純粋な並び順を、この湖魚料理人気投票を元にするなら、

  1. コアユ
  2. ニゴロブナ
  3. スジエビ
  4. ビワマス
  5. ビワヨシノボリ
  6. ホンモロコ
  7. ハス
  8. イサザ

のような感じでしょうか。我らがニゴロブナは2位です!

琵琶湖八珍の食べ方

では琵琶湖八珍に選ばれた魚は、どのような料理として食べられているのでしょうか。

これらは主な料理方法になるので、その他の料理もあるかと思いますが、人気投票で投票された料理はこのような感じになります。

淡水魚を生で食べるのは難しいので、やはり佃煮にしたり、発酵させてなれずしにして食べる食べ方が多いですね。

宍道湖七珍

琵琶湖八珍は、それよりも前に選定されている宍道湖七珍(シンジコシッチン)にライバル心を燃やしている?とも言われています。

宍道湖七品とは、

の7種類です。

琵琶湖八珍の企画段階で、この宍道湖七品が意識されていたのは誰もが思うところかと思います。じゃあうちは一つ多い8品で!みたいな。

琵琶湖八珍のセンターポジションはニゴロブナ

当初の投票ではうな丼が1位ということで、世間で一番の料理にした時においしい湖魚はうなぎということは誰もが納得する点かと思います。

海の魚と比較すると、あまり人気のない淡水魚ですが、その中から選ばれた琵琶湖八珍の中でも、ひときわ目立つのはやはり鮒寿司の原材料となるニゴロブナではないでしょうか。

今後琵琶湖八珍は滋賀県も積極的にPRを行って、滋賀の魅力を県外に発信していくことになっていますが、この滋賀の琵琶湖八珍での滋賀県PRが成功するか否かはニゴロブナにかかっていると言っても過言ではありません。